バイロイト音楽祭　２０２３　楽劇「ラインの黄金」

シュヴァルツ演出「ニーベルングの指環」は、修正を加えた２年目も不評だが、３年越しに登場した指揮者インキネンの正統的な解釈での音楽作りは、完成度が高く好評を得た。

ソリスト達は２年目を迎え、進化を見せている。アルべリヒ役シーグルザルソンの暗めの声でのワル振り、ミーメ役ベズイエンの卑屈なキャラ、ローゲ役キルヒの生意気さ、亭主を尻に引くフリッカ役マイアらは、役作りを深めている。ウォータン役コニエチュニは今年からラインの黄金にも登場、アルべリヒと双子という設定をアクの強い歌唱で演じた。インキネンの透明感のある精緻な音楽と共に聴きどころ満載の全１幕。

「前夜祭と３日間の舞台祝祭劇「ニーベルングの指環」から前夜祭 楽劇「ラインの黄金」」
ワーグナー:作曲
ウォータン…（バリトン）トマシュ・コニエチュニ、ドンナー…（バリトン）ライムント・ノルテ、フロー…（テノール）アッティリオ・グラーザー、ローゲ…（テノール）ダニエル・キルヒ、アルベリヒ…（バリトン）オウラヴル・シーグルザルソン、ミーメ…（テノール）アーノルト・ベズイエン、ファゾルト…（バリトン）イェンス・エリック・オースボー、ファフナー…（バス）トビアス・ケーラー、フリッカ…（メゾ・ソプラノ）クリスタ・マイア、フライア…（ソプラノ）ヘイリー・クラーク、エルダ…（メゾ・ソプラノ）オッカ・フォン・デア・ダメラウ、ウォークリンデ…（ソプラノ）エヴェリン・ノーヴァク、ウェルグンデ…（ソプラノ）ステファニー・ハウツィール、フロースヒルデ…（メゾ・ソプラノ）ジモーネ・シュレーダー、（管弦楽）バイロイト祝祭管弦楽団、（指揮）ピエタリ・インキネン
（２時間２９分０２秒）
～２０２３年７月２６日、バイロイト祝祭劇場、バイロイト（ドイツ）～