アナウンサー百年百話　戦後８０年　アナウンサーの証言から

日本を震撼させた二・二六事件。そのとき放送された反乱軍への呼びかけは多くの人の心を打った。のちに「兵に告ぐ」と呼ばれる放送からアナウンサーの姿を見つめる。

１９３６年２月２６日、いわゆる二・二六事件。反乱軍を行動をとめるのに大きな役割を果たしたのが放送だった。「兵に告ぐ」を担当した中村茂アナウンサーは、「五・一五事件以降反乱軍の事件が重なるにつれてラジオの聴取者は増えていった」「この日を境に、ラジオの影響力が大きく認められた」などラジオが力を持っていく時代を実感した。その後、軍の放送に対する支配は強まっていく。当時を振り返る貴重な証言をひもとく。